約2年間働いた職場を退職しました。
大手企業の研究所で、派遣社員として事務や秘書の仕事をしていました。そして10月からは、新しい会社で働きます。
退職して数日。意外なくらい、気持ちは穏やかです。「寂しくて仕方がない」というわけでもなく、「やっと辞められた!」という解放感だけでもない。楽しかったことも、大変だったことも、納得できなかったこともありました。
でも今は、「いい経験だった。お世話になりました。では、次へ」そんな気持ちです。40代になって、ようやく仕事との付き合い方が少し分かってきたような気がします。
ずっと働ける場所ではないと分かった
今回の退職は、仕事が嫌になって突然辞めたわけではありません。
派遣という働き方には契約があります。働き始めたときから分かっていたことではありますが、実際に区切りが見えてくると、やはり考えるものがありました。
この先、担当する仕事が変わること。長く働き続けるための雇用形態への変更はないこと。いろいろな話を聞く中で、「ここは、私がずっと働き続ける場所ではないんだな」と分かりました。
そこで、契約が完全に終わるのを待つのではなく、次の仕事を探すことにしました。
40代。次の仕事は見つかるのだろうか
私は40代前半です。20代の転職とは違います。年齢を考えれば、「次の仕事、ちゃんと見つかるかな」という不安はもちろんありました。
そんな中で見つけたのが、以前の職場で経験した仕事に近い求人でした。
応募してみると話は思った以上に早く進み、ありがたいことに次の職場が決まりました。ここで改めて思ったのが、昔やっていた仕事も、ちゃんと自分の中に残っているということです。
当時はただ目の前の仕事をこなしていただけかもしれない。それでも何年も経ってから、その経験が次の仕事につながりました。
仕事って、その会社を辞めたら全部なくなるわけではないんですね。経験や知識は、自分の中に残ります。そう考えると、働いてきた時間そのものが自分の財産なのだと思います。
派遣社員として働いて分かったこと
今回、大きな会社で派遣社員として働いたことで、会社というものを少し冷静に見ることができるようになりました。
会社には制度があります。雇用形態による違いもあります。一生懸命働いたからといって、必ずしも自分の希望する働き方ができるわけではありません。
以前の私だったら、こういうことを「私は必要とされていないのかな」「評価されていないのかな」と、自分自身の価値と結びつけてしまったかもしれません。
でも今は少し違います。会社の制度や契約と、その人自身の評価は、必ずしも同じではありません。会社には会社の事情がある。私は私で、自分の生活があります。条件が合わなくなったのなら、次の場所を探せばいい。それだけのことなのだと思えるようになりました。
組織との関係と、人との関係は別だった
一方で、退職が決まってから嬉しいこともたくさんありました。送別の場を設けていただいたり、最終日にはいろいろな方がわざわざ挨拶に来てくださったり。
そこで気づきました。会社という組織との関係と、そこで出会った一人ひとりとの関係は別なんだということです。
派遣契約は終わります。私が担当していた仕事も、別の人へ引き継がれます。会社は何事もなかったように動き続けます。そして私も、別の会社へ行きます。
それでいい。その中で、一緒に働いた人たちと交わした言葉や、助けてもらったこと、笑ったことまでなくなるわけではありません。会社とはドライなものだけれど、人との関係まで全部ドライだったわけではありませんでした。これは、この2年間で知ることができてよかったことの一つです。
昔の私は、仕事に飲み込まれていた
若い頃の私は、もっと仕事に感情を持ち込んでいました。人間関係に悩んだり、評価が気になったり。仕事で嫌なことがあると、家に帰ってからもずっと考えていました。仕事が人生のかなり大きな部分を占めていたように思います。だから仕事がうまくいかないと、自分の人生までうまくいっていないような気がしていました。
でも40代になった今は、少し違います。仕事は仕事。生活は生活。もちろん、1日の長い時間を過ごす場所なので、できれば気持ちよく働きたい。でも、仕事が人生のすべてではありません。
仕事は生活のためのツールであり、自分の財産でもある
最近、仕事について考えていて、ひとつ腑に落ちたことがあります。仕事は、私を苦しめるモンスターではなく、生活するためのツールなんだ。働いて、お金をもらう。そのお金で家に住み、ご飯を食べ、好きなことをして、将来のために貯金や投資をする。そして仕事をする中で身につけた経験や知識は、次の仕事にも持っていくことができます。
そう考えると仕事は、生活のためのツールであると同時に、自分の財産にもなります。会社に自分の人生を預ける必要はない。でも、働くことを敵にする必要もない。このくらいの距離感が、今の私にはちょうどいいようです。
40代、また新しい職場へ
10月から、また新しい生活が始まります。久しぶりに経験する業界です。初めて扱うこともたくさんあると思います。でも、「ここで絶対に成功しなければ」とも、「ここを最後の職場にしなければ」とも思っていません。
まずは行ってみる。仕事を覚える。生活のリズムを整える。そして、自分のできることを淡々とやる。合えば続ければいいし、いつか状況が変わったら、そのときまた考えればいい。20代、30代の頃には、こんなふうには考えられませんでした。
お世話になりました。そして次へ
約2年間。振り返ってみれば、仕事そのものだけではなく、働き方や人との距離、会社という組織についてもたくさん勉強させてもらいました。最終日に職場を出ても、涙は出ませんでした。でも、それは思い入れがなかったからではありません。自分の中で、きちんと終わらせることができたからなのだと思います。
お世話になった人には感謝しています。大変だったことも、今となっては経験のひとつです。ひとつの組織の中で、縁があった期間、自分の役割を果たす。そして、その役割が終わったら次へ行く。仕事って、本来そのくらいシンプルなものなのかもしれません。
40代。まだまだ働く時間は続きます。これからも仕事に人生を飲み込まれず、でも仕事から得られるものはしっかり受け取りながら。自分の生活を真ん中に置いて、静かに働いていきたいと思います。



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