今から7年前(35歳当時)私のMOSスキル
事務職に挑戦したいけれど、20代のうちはパソコンをあまり使わない仕事に就いていた。
そのような方は多いのではないでしょうか?
まさに私自身がそうでした。
私は20代から自動車ディーラーに長年勤め35歳で退職をしたのですが、その頃のOSスキルはとてもとても一般事務レベルと言って良いのか?という程度でした。
自動車ディーラーでも本社勤務の方たちはまだOSスキルはあります。1人1台PCデバイスが貸与されますし。業務によりますが、本社勤務であれば基本的にはM365は使用します。
問題は店舗勤務。PC自体を使用しないわけではありません。
しかし当時はPCは全員には貸与されず、メールは店舗のアドレスを利用。
営業スタッフ個々には査定用携帯電話やタブレッドが支給されますが、お客様とのやりとりはほとんど電話です。
店舗の事務職も会社のPCを共有で使用し、OSにはほとんど触れません。
規定のシステムの中で、経理(出納等)業務は完結します。
他にも見積書・注文書の作成、自動車保険の業務などほとんどが専用システムで完結するため、一向にOSスキルは身に付きませんでした。
実際にどの程度のレベルだったかというと
- Outlook
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メールの送受信ができる。しかしメールの受信にすぐには気づけない。
ファイルの添付方法は分かる。
共用PCのため、スケジュール管理はここではできない。
- Word
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送付状を作成するなど、簡単な文書作成。
- Excel
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簡単な表が作れる。
四則演算数はできない。(SUM関数すら使えず)
ウィンドウの固定やフィルタ設定もできない。
基本使わない。
- PowerPoint
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店舗のイベントチラシを作成するために使用。
お粗末な感じではあったが、画像の挿入・テキストの挿入で作成。
PowerPointでチラシを作れると褒められるレベル・笑
という様な感じでした。
全くMOSに触らないわけではないので、Outlookがメール・Wordが文章作成・Excelが表計算・PowerPointがプレゼンに使用することは認識しておりました。

35歳でサービス業を辞め、当時のOSスキルで就いた仕事
30半ばで退職後に私が就いた仕事は【派遣社員の一般事務】でした。
私くらいのレベルでも一般事務には就けます。正直、一般事務であればスキルよりも年齢で雇ってくれる所も多いです。
未経験の20代であれば経験豊富な40代よりも雇用されやすいでしょう。
その理由は一般事務という仕事は難易度が低いからです。
ワード・エクセルの基本操作が可能な方という文言がありますが、当時の私でも基本操作が可能な人認定されます。
簡単な関数は四則演算ができればOK、PowerPointはまず使いません。
実際の業務は受付やお茶出し、印刷、PDFをとる、データ入力くらい。
建設現場での事務職でした。
ではここで、「正直なところ一般事務ではどのくらい稼げるの?」というところをお話していこうと思います。

一般事務のお給料事情
- 正社員×一般事務のお給料@関東郊外
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関東郊外で、2025年現在月給17万円から22万円くらい。手取りですと12万円から18万円くらいでしょうか。
ボーナスは無しか年間10万円から30万円くらいのところが多そう。
昇給は中々微々たるものかと思います。
新卒or第二新卒で大手に入社できれば一般事務の場合も基本給はきちんと上がっていきますし、ボーナスも4ヶ月以上、退職金も多くもらえると思います
- 派遣社員×一般事務のお給料@関東郊外
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派遣社員の場合は時給1,200円〜1,400円程度。年収換算すると250万円いくかどうかでしょうか。
あくまで仕事内容的に割とベーシックな場合です。
ここに付加価値が付いてくるともちろん変わってきます。
そのあたりを私の場合でご紹介していきますね。
【派遣〜現在】業務内容とスキル
派遣1社目:建設現場事務×一般事務
建設現場事務で働いて半年。
この現場では完全に一般事務職でしたので、コピーやデータ入力メイン、アナログ作業が多かったです。
当初から半年限定の契約だったこともあり、また、こちらは時給1,300円だったこともあり、半年で終了とさせてもらいました。
稼働日数による給与の増減を身を持って感じた半年間でした。

派遣2社目:建設現場事務×現場レベルのIT事務
その後間を空けずに派遣会社から新たな仕事を紹介され、同じく現場事務ですがPCの設定メインの時給1,450円の仕事に就きました。
正直36歳といい年齢だったこともあり、今から新しい仕事(しかも少し付加価値があること)に挑戦できることは大変幸運でした。
工事現場ということもあり雑務も多く、気の強い男性陣の中で働かなくてはならないということもあり中々人材が決まらなかったとのことでした。
IT関連の知識や実務経験がしっかり備わっている人にとってはあまり好条件ではないですよね。もっといいお給料でいい環境がありそうって思うはずです。
私は現場がどんな所かを知っていることと、ほんの少しですがPC慣れしており面談での感じから決めていただきました。
ここに勤めた半年間で随分いろんなことができる様になりました。
ヘルプデスク業務も現場の方向けだったので(パソコン苦手な人が多い)、かえって私レベルが重宝されたようです。
また、空いた時間のゴミ捨てや掃除、文具の発注、弁当発注、自転車の手配、倉庫の掃除なども行いました。
正社員×IT事務・人事総務関連
IT事務業務を引き続きお願いしたいとのことで正社員登用していただきました。
月給25万円スタート、ボーナスもあり、年収は約400万円になりました!
一気に貯金も増え、ついに安定を手に入れたわけです。

現場×女性事務、初の正社員採用
この会社で私は現場にいる女性の事務(正社員)初採用でした。
この会社では半年から長くとも3年程度の期間限定の工事を請け負うため、現場毎に派遣の事務員さんや現場監督を採用するのです。
お財布がないとお給料が払えませんからね。どの会社もこの業界は同じような雇用形態です。
なので、現場にいる事務で正社員という人はいませんでした。
(監督さん・設計・安全担当などは女性の社員さんもいらっしゃいます)
私は一般事務・ITインフラ全般・総務人事担当と、現場で都度発生することに対し、幅広く対応していました。
それは決して楽なものではなく、お給料に見合った内容だったと思います。

派遣さんが大半の環境での役割と洗礼
派遣社員の方が大半ということは、正社員はとても少ない環境ということになります。
現場監督は全国の会社を転々を回っており、この期間手が空いている人を何名集めなくてはならない、という条件下で集まった人たちと一緒に働かなくてはなりません。
PCで変なサイトにアクセスしてしまい、ウィルス感染してしまう人が何人もいたり、お弁当を誤って持って行ってしまい、取った盗られたの喧嘩もあります。
中には、女性=お世話係のように思っていて、ゴミを捨てろ、あれを買ってくれ、これも買ってくれ、あれがない、など、お客様感覚の人もいます。
急に怒鳴り合いの喧嘩も始まります。
集中して作業していても、次から次へ話しかけられます。
その環境下でしたので、やはり限界は来てしまいました・・・

建設現場に5年間勤め、退職
派遣1社目に始まり、計5年間、建設現場に携わりました。
業務内容やポジションにもよると思いますが、私は結局退職しました。
お給料は優遇してくれていたと思いますが、それだけではないことにも気付かされました。
ただ、パソコン関連、ITインフラについての知識はかなり付きました!
本社のIT部門と現場の橋渡しのポジションでしたので、知識もスキルも、ここにいたお陰でかなり充実したのは紛れもない事実。
パソコンの事なら章さんに聞けばなんでも解決してくれる!なんて言ってもらえて、正直とても嬉しかったし、仲良くしてくれた方たちもたくさんいました。
私のポジションが定期的にあちこちの現場を回る必要があったため、1つの現場で横のつながりができ、そこにいる事務員さんたちとも仲良くなれたとしてもお別れの時がやってきます。
気の知れたメンバーの中で、一定のリズムで業務をこなすということはできないんですね。
また、通勤についても通える範囲ではありますが、中には車で片道1時間以上のところもあり、そこも悩みどころでした。
私の性格上、毎日同じ場所へ通い、どこに何があるかわかっていて、誰がなんの業務を担当しているか分かっている、という、環境の変化が少ない方が向いています。ちょっと内向的だったり怖がりな部分があるので。

現在の仕事:派遣×役員秘書
さて、現在の私はというと、再び派遣社員で働いています。
実は正社員で近隣の小さな会社で内定をいただきましたが、電話番と掃除をお願いします、ということでしたので、迷いましたがお断りしました。
40歳を過ぎ特別なスキルがあるわけではない私ですので、これを逃すともう正社員での雇用は無理かも知れないと思い本当に断ってしまって良いのかと結構迷いました。
転職活動自体も年齢的に難しいのはもちろんですが、ちょくちょく職場を変えるのって疲れてしまうんですよね。
内定をいただいた会社は業務内容が内容ですので、お給料も高くなく、年収300万円にも届かないくらいでしたし、昇給も見込めません。
ボーナスは年間10万円とのこと。
これまで頑張ってきたことを少しでも活かしたかったため、結局大手で派遣社員として働くことにしました。
お給料は少し時給がいいので、年収300万円を少し超えます。前職と比較すると100万円ダウンですが、覚悟の上です。また大手のため、毎年ほんの少しずつは時給が上がります。
一般事務よりも少し時給が高い仕事を選び、役員秘書(プラスいくつかの業務を兼務)として働いています。
本当はIT関連でPCのキッティングやそれに付随する業務が見つかればよかったのですが、タイミングが合わず、見つけられませんでした。
転職はご縁とタイミングだと思います。
大手に勤務することにより、前職で使用していたツール・システムの知識をそのまま生かすことができています。
また、ITインフラの構成、仕組みを浅く広く理解していることは、どの業務においても非常に役立ちます。
スタート時点でのハードルが一気に下がります。
正直秘書業務は人生初ですので、最初の3ヶ月くらいはだいぶ苦労しました。
これまで経験したことのない目線での対応が求められたことや、職人さんたちと接してきた環境から一転大手の役員やその秘書との関わりがメインになり、立ち振る舞い・言葉使いを随分直しました。(まだ直しきれていないです・・・)
ただその中で使用システムは馴染みがあるものばかりですので、事務作業を理解するまでが随分早かった様に思います。
半年経った現在では、ストレスフリーで働けています。やりがいも感じ、心身共に安定して働けています。

【まとめ】30代からOSスキルを身に付けたい方へ
M365を使うということ自体は大半の会社で前提となっていると思います。(会社・職種によりiOSの場合もあると思います)
しかし接客業などから事務職へシフトチェンジとなると、そのハードルは非常に高いものです。
接客業・サービス業は非常に華やかである一方、体力的にも精神的にも負担が大きいもの事実です。
もちろん本当に向いていて、一生この仕事で頑張りたいと思っていらっしゃる方もおられると思います。
しかし私のように、ある程度のタイミングを機に土日祝日休みの事務職に興味を持たれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
当記事が少しでもそんな方の判断材料になれば嬉しいです。
あと、ある程度汎用的なことであれば、30代、40代からでもやればできると思います。
新しいことを覚える、ということにコツコツと向き合えばいいだけだと思っています。
こうして「繊煎の一杯を」というサイトを立ち上げるのだって、YouTubeを見ながらコツコツと作業した、ただそれだけです。
これだけ情報が充実している時代ですから、大抵のことは調べれば答えが見つかります。
若い頃よりも勢いが無くなるということもあるかもしれませんが、大人の良さもあります。
あれもこれも手を出そうとせず、まずこれをやってみよう、と決めたことに対し、ゆっくりでいいから取り組んでみるのはいかがでしょうか。
私の場合、40代になってからの方が落ち着いて着実に物事に取り組めることになったし、学びの楽しさを知ることができていると思っています。
決して目立つこと、華やかなことをしているわけではありませんが、自分がそうしたいからする、ということを大切にしていこうと思っています。


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